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葬儀参列者の服装
以前は、喪主やご遺族は正式な礼装として、男性はモーニング、女性は和装が基本とされていました。これらは最も格式が高く、故人への最大限の敬意を表す装いとされています。特に和装は、日本の伝統的な儀礼服として重んじられ、礼を尽くす意味で広く用いられてきました。
しかし、近年は葬儀の形式が多様化し、よりシンプルで実用的な略礼装（ブラックスーツやブラックフォーマル）で臨むようになりました。これは、準備がしやすいことや、葬儀が小規模化・簡略化してきた背景が影響しています。
略礼装
[男性]
・ブラックスーツ
・シャツは白無地
・ネクタイは黒
・靴下は黒無地
・光沢のないシンプルな革靴
[女性]
・黒のワンピース、スーツ、アンサンブルなど
・黒のストッキング
・光沢や飾りのない黒のバッグ
・黒系のパンプスなど
☆アクセサリーは結婚指輪程度にし、パールのネックレスを身に付ける場合は一連のものにする。
正礼装【男性】
[和装]
・五つ紋の羽二重羽織袴
（袴地は仙台平か博多平）
・黒か白の羽織紐
・黒かグレーの半襟
・地味な角帯
・黒か白の足袋
・畳表の草履 鼻緒は黒か白
[洋装]
・黒のモーニングコート
・黒のネクタイ
・ベストはシングル
・素本は細い縞模様
・ベルトは使わず
サスペンダーで吊る
・黒い靴下に黒い革靴
☆モーニングコートは昼間の礼装なので、通夜はブラックスーツがよい
正礼装【女性】
[和装]
・染め抜きの五つ紋付き黒無地
・丸帯、帯あげ、帯締め、草履、バッグ（光沢のないもの）は黒で統一
・長襦袢、半襟、足袋は白で統一
[洋装]
・ブラックフォーマル
ワンピース、スーツ、アンサンブルなど、襟元のあきが少ないもの（長袖）
・黒のストッキング
・光沢や飾りのない黒のバッグ、靴
☆アクセサリーは結婚指輪程度にし、パールのネックレスを身に付ける場合は一連のものにする。
お子様の場合
学生は男女共に学校の制服が喪服となります。なければ黒またはグレーなど地味な服装に、靴下は黒系か白、靴も黒が望ましいです。真夏の場合、ズボンやスカート、靴は黒にして、シャツやブラウスは白でも構いません
小物で避けるもの
バッグや靴は、動物の革（ヒョウ、ヘビ、ワニなど）の柄が入っているものは「殺生」を連想させるため、慶事弔事には不適切とされています。
女性の洋装の場合、パール（真珠）のネックレスを身に着けます。真珠は別名「人魚の涙」や「月のしずく」とも呼ばれ、涙の象徴と考えられています。涙は悲しみだけでなく、敬意や哀悼を示す意味も持つため、弔事にふさわしいとされています。
ただし、弔事で使用するパールネックレスは、必ず一連のものを選ぶようにしましょう。重ね言葉や二重のものは「不幸が重なる」とされ、マナーに反するため避けます。
